老化に伴い、視力に重要な網膜の中心部分の「黄斑部」が変性するものです。
このため視野の真ん中がゆがんだり、暗く見えたり、進行すると欠けて見えたりします。欧米では中途失明原因の第1位を占め、日本でも欧米並みに増加しています。
黄斑変性の中でも、網膜の下から新しい毛細血管(新生血管)が生えてきて網膜に損傷を与える「滲出型」は、より失明に至りやすいタイプです。
初期症状では「ものが歪んでみえる」、「視界の中心がかすんで見えづらい」といった症状からはじまります。
網膜の中心部が悪くなるので、視野の中心部から見えにくくなります。
病巣が黄斑に眼られていれば、見えない部分は中心部だけですが、大きな出血がおこるとさらに広い範囲で見えにくくなります。
光干渉断層計(OCT)とは赤外線エコーを使用して、網膜黄斑部や視神経乳頭部の断層像を画像化する装置です。
当院ではこれまでの機種よりも解像度の高いDRI OCT-1 Atlantis, RS-3000 Advance, Cirrus HD, Spectralis等を導入し、日々の診療に役立てています。
網膜(カメラのフィルムに相当する)の中央部を黄斑部(矢印)といい、約100万個の錐体細胞が密集しており、字を読んだり物を見るときに重要な部位です。
網膜の厚さは約250μmで、黄斑部の中心部分は陥凹し、薄くなっています(中心窩といいます)。
【抗血管新生薬療法】
体の中には、新生血管の成長を活発化させる血管内皮増殖因子という物質があります。
抗血管新生薬療法は、この血管内皮増殖因子の働きを抑える薬剤を眼内に注射することにより、新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。
月1回薬剤を白眼の部分から眼の中心の硝子体という場所に向けて注射します(点眼麻酔をしますので痛みはほとんどありません)。
これを3ヵ月間繰り返します。その後、検査は月1回、視力検査、眼底検査、光干渉断層撮影等を行い、新生血管が残っている場合は再治療が必要になります。
発生する要因として、下記が挙げられます。手遅れにならないためにも、まずは「私生活の見直し」を行うことが大切です。